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お話


ブルーノ


2006年 シエラレオネのチンパンジーが人を殺した。ブルーノという名前のチンパンジーだった。彼は幼い頃に捕えられて以来人間の元で暮らしていた。チンパンジーはよく狩られていた。高く売れるからだ。ある夫妻が彼を買って、ブルーノと名付けた。数年後、彼は保護区に送られた。大きくなりすぎた。身長180センチメートル、体重は90キログラムに達していた。彼は賢く強靭で、あっという間に群れを統率した。親を殺されたブルーノに、チンパンジーの仲間ができた。彼らは電気の柵と、複数の鍵によって管理されていた。ブルーノは観察した。数年後、ブルーノたちは完全な脱走を遂げた。彼らは見つからなかった。職員たちが近辺の山林を捜索した。見つからなかった。4月、5名を乗せたタクシーが深い藪の道を通りかかると、複数のチンパンジーがそれを囲んだ。搭乗していた4名は車を降りてカメラを向けた。地元出身の運転手は恐怖に凍りつき、保護区の壁に車をぶつけた。直後、ブルーノがフロントガラスを突き破り、運転手を引き摺り出した。頭を掴んで何度も地面に叩きつけ、手足の爪を一枚ずつ剥がしたあと、指を噛み切断した。最後に顔面を食いちぎり、殺人した。残った4人は散り散りに逃げたが、チンパンジーたちに襲われ、重傷を負った。この事件ののちに軍が出動し大規模な捜索を行なった。最終的に27匹のチンパンジーが保護区に帰還した。だがブルーノを含む4頭は未だ行方が知れていない。



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